医療関係者様

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Q. 通常の心電計(ECG)とMCGの違いはなんですか?

A. ECGでは、医師/技師の方が心電図の波形を直接読み取り判断するのに対し、MCGでは、データ化した心電図をコンピューターが約4万例の症例と照合した結果をスコア(0~22の数値)で回答します。

結果がスコアで表示されるため、ひとりの受診者様が継続的に検査される場合、スコアの変化により状態の改善などの変化をトラッキングすることができます。
また、数値により、全体分布の中でのご自身のポジションなどをご確認いただくことができ、スコアのレベルによって、経過観察や治療介入などの判断の手助けとしていただくことができます。

更に、MCGの解析はデータ照合型なので、より客観的な解析が可能であり、また、データ化には心電図情報を細かく分解する独自のアルゴリズムを用いているため、従来に比して高い正診率や早期の状態からの解析が可能となっております。
また、通常の心電図と同じように安静に寝ているだけで検査は終了しますので、注射の利用や放射線被ばくのようなリスクを与える事もありません

項目
心電計(ECG)
MCG解析
検査
する
情報
体表面に取りつけた電極から得られる心電情報 体表面に取り付けた電極から得られる心電情報(同左)
判読
方法
医師/技師の方が読み取り診断 コンピューターが4万人のデータベース内の類似する症例と照合
判読
する
箇所
一定時間内における心電の波形の違いを目視で評価(ST部分、T波、QTインターバル等) 心電図を周波数帯に細かく分解し、周波数帯域で見られる166の微細なポイントの分布の違いをコンピューターが類似症例と比較することにより評価
精密
検査
との
比較
冠動脈造影検査との比較による実証データがない 冠動脈造影検査と比較する治験やCT等の精密検査と比較する論文が発表されている(トップメニューの「臨床データ」をご参照ください。)
検査
禁忌
など
  不整脈、脚ブロックといった症状により虚血診断の精度が影響される   診断結果は不整脈、脚ブロック等の症状に影響されず、ペースメーカー使用でも解析可能
その他
  心筋梗塞や狭心症などの「虚血性心疾患」の早期検知は一般的に難しいと言われている     過去の臨床研究から、早期段階からリスク解析が可能
保険
適用
日本のおいて保険適用 日本において現時点では保険非適用
検査
での
受診者
への
負担
心電取得時間は数分 心電取得時間は約10分程度

Q.MCGは心臓の何を解析しているのでしょうか?

A.MCGは、心臓の発する電気的活動である心電情報の周波数帯における特徴を解析しています。心電情報は、心筋細胞が発する活動電位の総和であり、心筋細胞が発する活動電位は、各細胞の機能や大きさにより周波数帯が異なり、また健康な状態か否かなどにより発する電力が変化すると言われております。
MCGでは、それら活動電位の総和である心電情報を周波数帯に変換することにより、心筋の状態により変化する電力並びに周波数帯の特徴に着目し、それらの違いを解析しています。

Q.MCGが解析する虚血状態とはどのようなものですか?

A.MCGは、心筋の機能的虚血状態における電気的変化を解析しています。心筋の虚血状態は、主に冠動脈の器質的な狭窄により不足する血流により発生します。これら器質的虚血状態はCTや造影検査などにより確認されることが一般的ですが、MCGでは、これら狭窄により虚血状態となった心筋細胞の電気的変化を解析しています。
また一方で、微小血管障害など、心臓の細い血管の障害などにより虚血状態がもたらされることもあります。MCGでは、このような場合に発生する電気的変化も解析しています。従って、器質的な狭窄がなくてもMCGが反応する場合や、逆に、例えば狭窄があっても側副路が発達している等の場合には、MCGが反応しない場合もあります。

Q.心筋梗塞の 治療後などにMCGはどのような変化を示しますか?

A.例えばステント留置により、血流が改善し、結果として心筋の発する活動電位の状態が改善された場合、MCGはそれら変化を解析し把握します。

Q. 過去に起きた心筋梗塞に対してMCGは反応しますか?

A.過去に心臓発作を発症された患者様に心筋ダメージが残っている場合、その心筋細胞の発する活動電位はダメージにより変化すると考えられます。MCGでは、それら活動電位の変化を解析し異常として把握します。

Q. MCG解析は無症候性患者の特定に有効でしょうか?

  A.MCGは、心筋の発する活動電位の状態に異常があれば、自覚症状に関わらずその異常を解析します。過去の臨床研究では、約40%~50%の狭窄の状態における検知率が75%であることから、初期の段階における侵襲性の高い検査や治療を行う前のスクリーニングツールや、人間ドックや健診における早期把握のためのツールとしてご利用頂く価値があると考えております。

Q. MCG解析は糖尿病患者などにも有効でしょうか?

A.糖尿病患者や透析患者など、各疾患の影響により心筋がダメージを受けていると考えられるケースについては、冠動脈が器質的に狭窄していないケースなども考えられます。MCGでは、心筋の状態により変化する電気的変化を特徴としてとらえていることから、これら狭窄がないケースについてもスクリーニングとしてご利用頂く価値があると考えます。

Q. MCGは人種差などが解析に影響しますか?

A. 過去の臨床研究の結果では、MCG解析による重篤度の解析において、患者様の人種、年齢、性別などにより精度が異なるといった影響はございません。
 

Q.MCGで解析ができないケース、できるケースなどを教えてください。

A.MCGでは虚血の発生する部位の特定やプラークの粥状化の度合いなどは解析できません。また、データベースの構成上、14歳以上の方を対象としております。また、四肢の欠損がありクリップが装着できない場合等も検査ができない場合がございます。

一方、ペースメーカーを使用されている方、造影剤禁忌の方、不整脈をお持ちの方でもご利用頂けます。

Q. 従来の心電計の代わりにMCGを使うことはできますか?

A . 従来の心電計は、広く受け入れられた伝統的な手法であり、医師の皆様はその使用方法の訓練を受けており、日常的にご利用されています。MCGは、従来の心電計では把握することができなかった電気的変化を把握する解析として、従来の心電計を補完しご利用頂くことをお勧めしています。

Q. MCG解析の利用に用意すべきものなどはありますか?

A.MCG解析を利用するためには、MCG解析に対応した心電計、専用のデータ送信機などが必要となります。
また医療機関様には、データ送信や解析結果を参照するためのインターネット回線、解析結果をダウンロードして頂くためのパソコンなどをご用意頂く必要があります

Q. MCG解析に保険は適応されますか?

A.現在日本国内でMCG解析の保険適応はありません。

Q. MCG解析は汎用心電計よりも費用がかかりますか?

A.MCG解析は、汎用心電計の検査と似ておりますが、取得された心電データはプレミアハート社の開発した解析システムにより精度の高い解析を行うため、通常の心電図検査とは異なるサービスを提供しており、通常の心電図とは異なる費用がかかります。

検査や研究でのご導入などご検討の場合は、是非プレミアハート社までご連絡頂ければ具体的なご導入プランについてご提案させて頂きます。

Q.これまでどのようなエビデンスが出ていますか?

A.日本並びに海外の学会で研究発表、論文発表がなされています。詳しくは臨床データをご確認ください。

Q.MCGを研究に使いたいのですが。

A.MCGは新しい技術で、他の一般的な医療機器に比べ、研究の余地の大きい技術であると考えられます。現在各大学、研究機関様により様々な研究を実施頂いておりますので、もしMCGを研究にご利用されたい場合には、プレミアハートジャパン社までご連絡ください。

Q. MCGの解析原理を教えてください。

A.MCGは、心電を6つの数式により周波数解析帯に変換し、その微細な特徴にみられる差異を約4万例の類似症例と比較することにより解析を行っております。MCGでは、心電の周波数帯における特徴を166個のインデックスとして保持しており、受診者のインデックスの関係性のパターンと、データベースに保持された約4万名のインデックスの関係性のパターンを比較し、受診者のパターンに最も近いパターンをデータベースから導き出すことにより、結果をスコアで表示します。

Q.周波数解析とはどのような技術でしょうか?

A.通常の心電図は、横軸が時間、縦軸が電圧として表現されますが、例えば周波数解析の「オートパワー」の例では、横軸が周波数、縦軸が電圧として表現されます。この表現により、時間軸における電気的変化では発見できない違いが表出することできます。
例えば、トンネルの打音検査、卵の目に見えないひび割れ検査などはその利用例になります。
なお、MCGでは、オートパワーだけでなく、合計6つの数学的な変換式で変換された周波数式を用いてその特徴の違いを保持しています。

Q.周波数解析というと、加算平均心電図を思い出します。加算平均心電図との違いは何でしょうか?

A.加算平均心電図は、心室性頻拍(VT)などの不整脈の予知を目的として、炎症や心筋梗塞等で傷ついた心筋における遅延した微小電位(心室遅延電位:Late potential)などを200回以上記録し、心電図を大きく描く技術です。これに対しMCGは、心筋の炎症や障害などの影響による心筋の活動電位の変化の特徴を、6つの周波数式で166個とらえ、約40,000例のデータベース内の診断モデルと比較することにより、虚血性心疾患の重篤度を解析する技術です。解析の目的、使用する周波数式、インデックスの数、症例との比較など、加算平均心電図は、MCGとは全く異なる技術であると考えられます。

Q. MCG解析は他の検査技術と比較してどのように違いますか?

A. 世界7カ国1,000名以上の臨床試験と医師による実際の診断経験を通し、MCG解析は、虚血検知におけるストレステストや核シンチグラム、CT血管造影などの臨床技術に比類する解析能を示しています。
詳細については比較チャートを参照ください。

Q. 日本にMCGが導入されたのはいつですか?

A.MCG解析は、米国におけるFDA承認、治験、ジャーナルへの論文掲載、保険適応等の手続きがなされ、2007年後半より正式に販売されている解析技術です。
日本国内では、2011年11月より、日本国内で認証された機器にて国内の医療機関の皆様にもMCG解析をご利用頂くことが可能となりました。

Q. MCG解析は海外および日本でどのように利用されていますか?

A.MCG解析は米国で5年以上の使用実績があり、循環器専門医の虚血診断の他、内科医、緊急医療の現場そして一般開業医の日常の健康診断に使用されています。
米国以外でも南米、ヨーロッパ、中東、インドと世界各国で利用されています。

日本では早期検知を目的として現在主に人間ドックや健診、自由診療のクリニック、並びに大学医学部での研究などにおいてご利用頂いています。